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体験記
2025/7/25
目次
日本人と留学生、もっと交わってほしいと思った話

日本人と留学生、もっと交わってほしいと思った話


導入

私が所属する研究室には多くの留学生が在籍しています。 今回は、日々彼らと接する中で感じたことを、あくまで一個人の視点から綴ってみたいと思います。 あくまで私個人の体験に基づいた内容であり、すべての人に当てはまるとは限らない点をご理解ください。

海外の方と接して感じた価値観の違い

文化や習慣の違いは当然ありますが、日々の研究活動の中でも価値観の違いを実感する場面があります。 たとえば「研究に取り組む時間」のスタイル。日本では年功序列的な雰囲気や“空気を読む”文化から、タスクが終わっても帰りづらいと感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

一方で、私の研究室の留学生たちは、それぞれが自分に合ったスタイルで研究を進めています。中でも私が理想的だと感じたのは、「朝早く来て、やるべきことが終わったらすぐに帰る」というスタイルです。 特に実験が長引きそうな日は、夜遅くまで残るのではなく、朝早く来て同じ時間に帰るという姿勢にとても共感を覚えました。朝早起きするのは確かに大変ですが、その分、夜を自由にリフレッシュの時間として使えるのは素晴らしいライフスタイルだと思います。

掃除に対する考え方の違い

もう一つ面白いと感じたのは、掃除に対するスタンスです。 日本では小学校の頃から掃除の時間があり、「みんなで使う場所は自分たちで綺麗にする」のが当たり前でした。 しかし、多くの国ではそのような教育はないため、「掃除は専門の人に任せ、自分たちは研究に集中すべき」と考える方もいます。

最初はこの考え方に少し違和感を覚えましたが、実際、実験が想定通りに進まないことも多く、掃除に時間を取られることで研究が妨げられる可能性もあることを考えると、ある意味合理的とも言えます。 ただし、だからといって「掃除は他人任せでいい」「多少汚しても構わない」という発想に繋がるのは違うと思います。やはり共通の場を大切にするというマインドセットは、どんな国でも重要です。

日本人がもっと積極的に関われたら

日本人学生が留学生と関わることを避けている様子を見ると、少しもったいないなと感じることがあります。もちろん、積極的に交流している学生もいますが、残念ながら少数派である印象です。 キャンパスを歩いていると、留学生同士で固まっている姿をよく見かけます。おそらく「日本にいるのに日本人と話す機会があまりない」と感じている留学生も少なくないのではないでしょうか。

この背景には、日本人が英語に苦手意識を持っていることが大きく影響していると思います。 しかし、もしその一歩を踏み出せば、自分の視野を広げるチャンスにもなり得ますし、相手にも良い印象を与えられるはずです。

英語が話せないこと=能力が低い、ではない

正直なところ、私も英語を流暢に話せるわけではありません。 そのため、自分の意見をうまく伝えられなかったり、相手に過小評価されているのではと感じることもありました。 英語が得意でないことが、まるで人間性や能力の評価に繋がってしまうような感覚――これはとてももどかしい経験でした。

ただ、あるイラン出身の友人が「日本人が英語を話せなくてもいいと思う。日本語で学べる文化があるのは素晴らしいことだし、日本語を守ることも大切だから」と言ってくれたのが印象的でした。 私もこの言葉にとても共感します。

結論:違いを受け入れ、互いに学び合える環境へ

私がこの文章で伝えたかったのは、「違い」に目を向けることの大切さです。 文化や考え方、価値観の違いは、時に戸惑いをもたらすこともあります。ですが、その違いを理解し合うことで、新たな視点や生き方を学ぶことができます。

英語が話せない、文化が違う――それでも、お互いに尊重し合い、歩み寄ろうとする姿勢こそが、これからのグローバルな社会に必要なことだと思います。 私自身もまだまだ未熟ですが、これからも柔軟な心を持って、多様な価値観を受け入れながら成長していきたいと思います。

Capillarist

Capillarist

都内の大学で研究活動を行っている大学院生。 専門は「細胞を組み立てて理解する」組織工学。 科学をわかりやすく伝えることを目指しています。